包茎は本当に治療すべき?放置すると起こるリスクとは

包茎という言葉を聞くと、多くの人は「恥ずかしい」「人には相談しづらい」といった印象を持つかもしれません。実際、日本では多くの男性が包茎に悩んでいる一方で、医師に相談せずそのまま放置しているケースも少なくありません。

しかし包茎は、単なる“見た目の問題”や“思春期特有の悩み”ではなく、放置することで思わぬトラブルを引き起こす可能性があります。では、包茎を治療せずにいると、どのようなリスクがあるのでしょうか?

まず衛生面の問題が挙げられます。包皮がかぶった状態では、亀頭と包皮の間に垢や尿の残りカスが溜まりやすく、細菌が繁殖しやすくなります。その結果、悪臭が発生したり、包皮炎や亀頭炎などの感染症を繰り返す原因にもなりかねません。特に真性包茎やカントン包茎の場合、包皮の内側を清潔に保つのが難しく、慢性的な炎症を起こすリスクが高まります。

さらに、包茎が原因で性行為に支障が出るケースもあります。包皮が狭くてうまく剥けない状態では、性交時に痛みを感じたり、途中で包皮が裂けて出血することも。また、包皮の締めつけが強い場合、性器に血液が戻らなくなる「嵌頓(かんとん)」という緊急事態が起こる可能性もあり、これは放置すれば壊死の危険もある医療的な緊急対応が必要な状態です。

性病のリスクも見逃せません。包皮内が不衛生な状態だと、HIVや梅毒などの性感染症にかかるリスクが高まるという研究結果もあり、実際に包茎は性感染症のリスク因子の一つとされています。特に複数の性パートナーがいる場合や、将来的にパートナーを持つ予定がある場合には、相手に感染させないための配慮としても重要です。

加えて、包茎が原因でコンプレックスを感じ、自信を持てず、恋愛や性に対して積極的になれないという心理的な影響も見逃せません。外見や性機能に関する悩みは、放っておくとメンタルヘルスにも影響しやすく、自尊心や対人関係にまで影響を及ぼすことがあります。

もちろん、仮性包茎のように生活に支障がないケースでは、必ずしも治療が必要とは限りません。ただし、真性包茎やカントン包茎のように、明らかに医療介入が必要な状態を放置するのはリスクが高く、特に思春期を過ぎてもまったく剥けない場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。

包茎は、恥ずかしいことでも特別なことでもありません。大切なのは、自分の身体の状態を正しく知り、必要に応じて適切な対応をすることです。放置することで取り返しのつかない状態になる前に、まずは情報を集め、気軽にカウンセリングを受けることから始めてみてはいかがでしょうか。