仮性包茎でも手術した方がいいのか

仮性包茎は、平常時は包皮がかぶっているものの、勃起時や手でむけば問題なく亀頭が露出する状態を指します。日本人男性の多くがこの仮性包茎に該当すると言われており、医学的には“病気”として扱われないことが一般的です。

そのため、仮性包茎だからといって、必ずしも手術しなければならないわけではありません。実際、「生活に支障がないなら放置しても問題ない」と考える医師も多くいます。

ただし、「医学的な必要性がない=手術する意味がない」というわけでもありません。仮性包茎であっても、次のような悩みや症状がある場合には、手術を選択肢に入れる価値は十分にあります。

まず多いのが衛生面のトラブルです。包皮に覆われている時間が長いと、亀頭と包皮の間に恥垢(しこう)がたまりやすく、ニオイやかゆみの原因になることがあります。しっかり洗っているつもりでも、完全には汚れが落としきれないこともあり、慢性的な不快感や包皮炎に悩まされる人も少なくありません。

また、性行為の際に包皮が動きすぎて摩擦が強くなりすぎたり、感度が高すぎることで早漏の原因になるケースもあります。精神的なストレスから自信を失い、パートナーとの関係に影響が出る人もいます。

さらに、見た目にコンプレックスを感じているという理由で手術を決断する人も増えています。温泉やスポーツジム、恋人との性行為の場面で「人と違うのではないか」と気にしてしまい、自信を持てなくなるケースです。こうした悩みは他人には理解されにくく、本人にとっては深刻なストレスになることもあります。

仮性包茎の手術は、比較的シンプルで、日帰りで行えるクリニックがほとんどです。仕上がりの自然さや傷跡の目立たなさにこだわった美容的な施術を選べば、術後に人に気づかれる心配もほとんどありません。

もちろん、仮性包茎であっても手術を受けないという選択は尊重されるべきです。無理に手術を勧められるべきではありません。ただ、毎日少しでも不快感がある、自信が持てない、清潔に保つのが大変、といった悩みを抱えているなら、一度専門医に相談してみる価値はあります。

手術をするかどうかはあくまで自分自身の判断でよく、正解は一つではありません。大切なのは、自分の体の状態と向き合い、「どうありたいか」という気持ちに正直になることです。

今は、誰にも知られず、気軽にカウンセリングを受けられるクリニックも多くあります。悩んでいるなら、まずは情報を集めることから始めてみてもよいのではないでしょうか。